オルゴールの魅力2020年01月26日 17:03

 最近、いろいろなオルゴールの音色をゆっくり聴く機会があった。以前は、オルゴールというと宝石箱のような小箱の蓋を開けると美しいけれど比較的単純なメロディーが流れるイメージしか持っていなかった。しかし、今回、オルゴールについて少し知識を得て聴き比べたりしたところ、これが実に奥深い。
 オルゴールは大きく2つのタイプに分けることができる。1つはシリンダータイプ(時計の付属品としてスイスで生まれたそうだ)で、もう1つはディスクタイプ(ドイツで生まれたそうだ)である。現在、いろいろな曲を購入しやすいのはシリンダータイプのものであり、ここでもそのシリンダータイプのものについて説明したい。
 それぞれの音を出すために付けられた小さな突起のついている金属製の円筒形のもの(シリンダー)があり、この円筒形のものが回転する際に櫛の歯のようにきれいに横一列に並んだ細い金属製の振動板を下から持ち上げ、それをはじくタイミングで音が響く。長い振動板(弁と呼ばれる)は低く、短い振動板はキラキラした高い音が鳴る。この弁の数によって音の領域や表現の豊かさが決まるようだ。18弁、23弁、30弁、50弁、72弁とあるが、72弁の「シェルブールの雨傘」を間近で聴いたが、オルゴールならではの本当に美しい音色に聴き惚れた。メロディーラインだけではなく、その間にも流れるような繊細で美しい響きがあり、またところどころに入る低音の響きも印象的である。改めてオルゴールの価値を再認識した。