真田丸 三浦文彰2019年03月05日 23:12

ヴァイオリンの重音の音色が力強く躍動的に生き生きと響き渡る。低音部の深みのある重厚感から後半の高音部の胸に染み入るような美しいメロディと演奏。

 

世界最難関とも言われるハノーファー国際ヴァイオリンコンクールの2009年の史上最年少優勝者(当時16歳)の三浦文彰さんのヴァイオリン演奏による2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」のメインテーマだ。

服部隆之氏作曲のオーケストラをバックにした単音のメロディラインも弦楽器特有の流れるような艶のある美しい響きをもっているが、私はこの曲に関しては、特に三浦さんが演奏する重音のハーモニーが生み出す世界がドラマチックで印象的であり、素晴らしいイマジネーションの源泉であると感じている。時にそれは、平原を馬で疾走する武者を創り出し、また別のある時には人生の岐路にたった一人の男が生死をかけた重大な決断をするときの心情をも表現している。

ドラマ「真田丸」は、その名のとおり戦国時代の真田一族の真田信繁(幸村)を中心に描いた作品である。真田家は関ヶ原の合戦で兄弟が東軍と西軍に分かれて戦い、敗北した西軍側で戦った弟の信繁(幸村)は後の大坂夏の陣で命を落とすことになるが、兄の真田信之の子孫が今も長野市松代町の地で地域と密接に結びついた暮らしをされているようだ。松代は、1622年に幕府より転封を命じられて真田家が藩主として移り住んだ土地であるが、もともと真田家は今の長野県上田市に信繁(幸村)の父である真田昌幸が、1583年に天然の地形を生かした難攻不落の上田城を築城し、ここを拠点としていた。当時の建物は残念ながらほとんど現存していないが、かつて千曲川の分流があった尼ヶ淵に面する弓なりの見事な曲線を描いた石垣は今でも見上げることができる。(西櫓は、真田氏の後に入った仙石氏が1626から1628年にかけて建てた江戸時代から現存している唯一の建物)また、東虎口櫓門は1994年に復元されたものだが、往時を偲ばせる。




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